初めて調理場に従業員を一人雇ってオープンしたのが「にこらしか」
佐藤の最初の店「炉辺」は、板橋で開店した。当時関東では珍しかった全品百円均一の炉端焼きの店は、マスコミにも取りあげられ、大成功をおさめる。
そんな時、店を拡張しないかという話しが持ち上がる。すぐ隣の店舗で、条件は今と同じ、店の広さは一気に二倍である。彼は喜んでその話しを受けることにした。そこで三度、恩師の助言がある。
「今度は洋風居酒屋にしてみないか」
彼としても、せっかく店を大きくすることでもあった。ここはひとつ新しいことにチャレンジしてみようと、きっぱり炉端焼きの店を閉じることにした。そして、広くなったスペースを活かし、お客様の増加を見越して、初めて調理場に従業員を一人雇ってオープンしたのが「にこらしか」である。
現在でも十分通用するモノトーンのお洒落な雰囲気と、当時流行っていた洋風居酒屋という形式によって、この店も順調にお客様を獲得する。