かんなん丸物語

「街角に一軒の店をつくることが、私の夢であり目標です。」

埼玉県を中心に、北関東エリアへの集中店舗展開

平成25年3月、埼玉県さいたま市に「かんなん丸」は、「日本海庄や」の新しいお店をオープンした。昭和57年、さいたま市浦和区に開店した第一号店から数えて、102店舗目だった。株式会社大庄が全国展開を図る「庄や」を、独自の発想でチェーン展開する「かんなん丸」の最大の特徴は出店地域を埼玉中心とし、そこから周辺北関東地域へ広げていくという出店方法である。要となる中核地域に埼玉を選んだ理由の一つは、その将来性だ。国立社会保障・人口問題研究所の『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年3月推計)』によれば、2045年の 埼玉県 全体の将来人口は、2015年対比74万人の人口減が予想されているが、さいたま市を中心とした県西部エリアは、むしろ東京エリアの利便性の高いベットタウンとしての将来性が見込まれ、さらなる人口増が予測されている。 埼玉を選んだもう一つの理由、それは創業者である佐藤栄治の埼玉に対する思い入れである。新潟出身の佐藤が東京と新潟を往復する際、いつも車窓から眺めていた町、浦和に対して、「文教都市」「優しい町」というイメージや憧れがあった。その思いが昂じて東京から転居。浦和という街がすっかり気に入った佐藤は、ここに第一号店を開き、これ以後の礎になった。埼玉の人々に温かく迎え入れられてもらい、育ててもらったという感謝の気持ち、少しでも恩返しがしたいという思いが、埼玉への愛着となったのである。